作者:詠み人知らず
地球暦3019年、その時代に人が残す影は、白銀色のドームと化した都市遺跡に過ぎなくなっていた。空は鋼色に染まり、星は見えぬ空に、一度の地平線がすべてを分け隔てていた。
「やあ、わんこのようにめそめそ泣いてばかりじゃないか」
「そ、そういう君も、目尻が赤いぞ、レイ」
二人の少年、レイとユウが、夕暮れの廃虚でたたずんでいた。肌に感じる冷たい風は、人類が作りし世界の末裔たる彼らを晒しものにした。
「僕たちって、なんで生まれたんだろうね」
「そんなこと、思ったこともなかったさ。ただ、目の前の生活をたむろするだけで精一杯だったからね」
レイは天に伸びるビルの骨格に手をかざすと、速やかにその手を離した。かつて人類が自然を支配した気配を、今はただ錆びついた鉄が物語っている。
「レイ、あっちのドームの中って、どんな風だったんだろう」
「知らないよ、ユウ。ただ、僕たちの祖先はあそこで命の火を消していったんだ」
ふいに地鳴りが二人の脚を襲う。遠く、白銀色のドームの中心から何かが動き始める気配。
「何だ、あれは!?」
「ドームの中から何かが動いたぞ!」
ぎらりと光が彼らの目を捉える。それはまるで生命体のように、動き、輝きを放ちながら彼らの方向へと進んできている。
ーーまるで追い詰められた獣のようだ。
白銀色のドームは膨らんで、天高く輝く一点を突き破る。そして、その破れた一点から蒼い光が流れ落ち、空と地をつなぎ直した。
「これは……!」
「星と星がつながったみたいだ!」
空からの光は、ドーム内部から出現した謎の機械のようなものを照らし出す。それは彼らの想像以上に複雑で、神秘的な造形をしており、中心には一つの席が備わっていた。
「レイ、あれに乗れば何かが変わるかもしれない」
「そうだな、いまの世界を変える方法……。それを探しに行くんだ」
決意を固めた二人は、犬のように跳ねる心を抑えつつ、機械の中央へと歩み寄る。彼らの前で蒼い光が渦を巻きながら、新たなる道を提示していた。
「行こう、ユウ。星の彼方へ」
「ああ、レイ。どんな未来が待っていても、僕たちは……」
その時、機械が鳴動を始め、二人を囲む空間が次元の裂け目へと変わる。彼らはただそれに身を任せた。
ーーそして、星の彼方へ。
新たな光が広がる中、レイとユウのかけらもない世界が開かれていく。その地は、もはや寒暗ではなく、届けられた希望が温もりとなって、二人を迎え入れていた。
「見ろ、ユウ。新しい星が、新しい朝が来たんだ!」
「未来は、僕たちが創る。そうだろ、レイ」
その声は30世紀の空を越え、遠い未来の星へと届けられていくのだった。
内容はAIによって生成された創作です。
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