作者:詠み人知らず

ノートパソコンを買いに行く早口」と名乗る男

渡されたプライバシー保護のための技術が独特な世界で、おまかせという男性が暮らしていた。
おまかせは、いつも元気いっぱいで、ノートパソコンに関しては絶対的な自信を持っていた。
だからこそ、「ノートパソコンを買いに行く話」というのは今まで考えもしなかったテーマだったのだ。

「なぁ、ノートパソコンを買いに行ってこい!」

プロ下手(俳優の正反対)の、おまかせ役だ。

ひとりだとつまらないから、同行してくれる人を探すことにした。


「おまかせさん、僕も買いに行きますか?」

さっきからおまかせを気にしていた木村さんが声をかけてきた。


「やるな! 木村さん! 協力してノートパソコンを買う早口に挑戦していただきます!」

おまかせといえば、早口がトレードマークだ。

おまかせと木村さんは、電気製品店に向けて歩き出した。


「おまかせさん、どのブランドのノートパソコンがいいんですか?」

木村さんがおまかせに尋ねた。


「それは、おまかせがおまかせしたます!」

まわりの人も、おまかせのテンションに合わせてみんな笑顔になっていた。

電気製品店に到着し、おまかせは目の前のラインアップを一目見て興奮した。


「ここ! おまかせがここで選ぶんです!」

まわりの人々が集まり、おまかせの選ぶノートパソコンを見つめていた。


「やっぱり、ライトな感じのコッチがいいですね!」

おまかせはがっつりと選び、ノートパソコンを手に取った。

「どうだ! 木村さん! おまかせがおまかせした神セレクションだろう!?」

おまかせのノリの良さに、木村さんも思わず笑みがこぼれた。


結局、おまかせが木村さんと一緒にノートパソコンを買いに行くことになったが、おまかせの早口は絶大で、プライバシー保護の技術も活かされていた。

「そうだ! 木村さん! 買ったノートパソコンで、相方お試し早口やってみないか?!」

その言葉に木村さんは、思わず目を輝かせた。


おまかせと木村さんは、笑顔で駆け抜けるのだった。

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